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毎朝、眠気と戦っているあなたは、やっとベッドから這い出て家を出発しました。家の近くにある朝ご飯屋さんに着きました。

2017-03-09

マーガリンの戦い

毎朝、眠気と戦っているあなたは、やっとベッドから這い出て家を出発しました。家の近くにある朝ご飯屋さんに着きました。誰もが出社の時間に間に合わせるためにバタバタしています。注文の声も何かを争うように交じり合っていました。慌てて買ったばかりのサンドイッチを一口噛んでみると、「あれ?今日の味なんか薄くない?」。
そう!その欠けている味は朝ご飯屋さんの定番、マーガリンです。マーガリンは人工的に作られたバターの代用品で、日本ではかつて「人造バター」として売られていました。マーガリンについては、マスメディアで何度も論争になったことを未だに覚えているかも知れません。実は、マーガリンの発明は戦争と大きな関係があるんです。マーガリンが起こした美食戦争を見てみましょう。

人造バターと天然バターとの戦い

1869年、世界初の人造バター、マーガリンがフランスに現れました。当時の皇帝であるナポレオン三世がプロイセン王国に宣戦し、普仏戦争が始まりました。しかし、戦争によって食料不足となりました。天然バターの量は、戦時中の兵士たちの需要に応じられませんでした。そこでナポレオン三世は、バターの代用品を懸賞付きで募集しました。
その時、化学者であるイポリット・メージュ-ムーリエが牛と羊の脂肪を切り刻んで、牛乳や羊乳を加えて煮込むことで世界初の人造バターを発明しました。それ以降、人造バターの生産技術が高まっていきます。異なる植物油や水素化の方法によって製造された人造バターが雨後の筍のように現れました。人造バターは戦争から生まれたといっても過言ではありません。「バター戦争」もその時に勃発しました。

MILKMARRINEとMargarineとの戦い

Milkmarrineは、60年前に既に台湾に存在していました。当時、日清食品の研究者が異なる融点の植物油を牛脂と混ぜて、冷凍させることでMilkmarrineを発明しました。当時台湾の市場にバターの種類はまだ多くはありませんでした。パンとトーストが食べ物の主流になるに連れて、Milkmarrineの知名度も上がっていきました。遠東油脂会社が1969年に「乳瑪琳MILKMARRINE」という商標登録をしたことで、「乳瑪琳」は公式に台湾独自の人造バターのブランドになりました。台湾の朝食業界だけでなく、各祝日や中秋のバーベキューの時も「乳瑪琳」の姿が見られます。「乳瑪琳」は、既に台湾人のバターに関する国民的記憶になっています。
しかし、コトはそんなに単純ではありませんでした。「乳瑪琳」という名称は他の植物油から作られるバターの名称と非常に似ていること、そして当時の人造バターの中国語名は全て「マーガリン」からの音訳であったため、人造バター=「乳瑪琳」というステレオタイプが台湾の消費者の心のなかに形成されました。さらに、違うブランドの人造バターさえも「乳瑪琳」と呼ばれていました。ブランドの影響力の凄さが分かります。

トランス脂肪酸との戦い

時間が経つに連れ、消費者の食の安全に対する意識が高まり、人造食品の健康への影響及び安全性が注目され始めました。2015年、あるずさんな新聞記事が海外の研究を誤引用して、「乳瑪琳」が水素化された人造バターであり、生産過程において人体に有害なトランス脂肪酸が発生していると記述しました。これは、皆にパニックをもたらしました。毎朝楽しんでいた味が体に悪い人造バターだって!?どうすればいいのでしょう?!
実は、これはみごとな誤解です!台湾人は人造バターのことを「乳瑪琳」と呼び慣れていますが、実は人造バターの正式名称は「マーガリン瑪琪琳」です。「乳瑪琳」は確かに人造バターの一種ですが、製造過程において水素化されておらず、ほかの人造バターと違います。遠東油脂会社は噂を打ち消すため、自社の製品は商品名が似ているだけで、トランス脂肪酸は含まれていないと強くアピールしました。私達が怠けずにもっと製品についてしっかり勉強していれば、このようなマスコミの誤報で無駄なパニックが起きることはなかったでしょう。

旨味と健康の戦い

しかし!トランス脂肪酸がなければ健康的だと言えるのでしょうか?実は、そうでもないのです。人造バターには融点の異なる多くの植物油と動物脂肪が混ざっていて、高油分・高塩分・高糖分の製品です。そのため、食べ過ぎると体に良くありません。(食べないと心に傷がつきますが…)如何に旨味と健康の間でバランスを取るかというのは毎日の課題ですね!大食いするか少食でいるか、美味しさを追求するか健康を追求するか、戦争によって誕生したマーガリンは、いくら時が流れても、一回また一回とマーガリンの戦いを起こしています。


作者:Ryan Hong  攝影:美字哥  譯者:林峻玄